「かかりつけ調剤薬局」を目指すチェリー調剤薬局グループのチェリーコラム。

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チェリー調剤薬局の薬剤師がつづるチェリーコラム

 

修治(しゅうち)という技法

修治(しゅうち)という技法薬と毒は紙一重と言われます。
現在の薬は開発時に幾重にも試験が行われ、安全なものが医療現場に供給されます。予期できなかった副作用も、確認後速やかに周知されより安全な使用に改定されます。
さらに、より効果が高くより安全なものが常に開発されています。

では昔はどうだったのでしょうか。
昔の薬は、自然に存在する薬用物質からはじまり、加工品の生薬、そして混合物の漢方薬と進化していったのですが、安全性はどうやって高めたのでしょうか。

その一例として修治があります(一般的な読み方は”しゅうじ”ですが、薬学では”しゅうち”と読みます)。
治療中に、ある生薬をより多く使いたいが使うと副作用等の不都合が出てきてしまう。
この不都合を軽減するため、生薬を二次加工する修治という技法が発達しました。
さらに、重量を軽くしたり、保存、次の加工を容易にすることなどにも使われます。
代表的な修治として、炒法(炒める)、炙法(液体を加え炒める)、煅法(炉内で高温に加熱する)、蒸煮法(液体を加えて蒸したり煮たりする)、発酵法があります。

修治(しゅうち)という技法ただし、これらの手法は長い年月の間、様々に変化してきました。
そのため同じ名前でも、時代や中国と日本では違う加工の場合があります。
逆に同じ技法でも別の名前が付いていたりします。
つまり過去の修治は安定していません。
その修治が不都合の主因を除けたかどうかもわからなかった場合もあると思います。
しかしながら、薬を安全に使いたいという努力には頭が下がります。
修治について詳しく知りたい方は真柳誠先生の著書をお読みください。

修治(しゅうち)という技法では現在の漢方薬はどうなのでしょうか。
現在の日本では、漢方薬の主力はエキス顆粒製剤です。
調合した漢方薬を水などの液体に浸し成分を溶かしだします。
つぎに、その溶液から液体を乾燥等で除きます。
残った固形成分を加工してエキス顆粒製剤となります。
科学の進歩により薬用植物の有害物質は、そのほとんどが特定されています。
化学分析により、漢方薬中の有害物質は基準量を超えることはありません。
科学の力で安全な漢方薬が製造されています。
そのため、現在の工業化された漢方薬の世界では一部(附子など)を除き高度な修治は行われていません。

薬の安全は医療の根幹です。
安全な薬も使用法が守られなければ毒になります。
用法用量は必ず守ってください。
薬剤師からのお願いです。

参考HP
真柳誠「漢方修治の妙」
自然と健康を科学する漢方のツムラ


(著:ライム店 管理薬剤師 瀬川 勲)



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